石川綜合法律事務所

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コンプライアンスや内部統制という観点、及びそれをふまえた企業体質

コンプライアンス、内部統制という言葉は、金商法対応ではかなり議論されておりますが、経営者の労務管理におけるコンプライアンス、内部統制という観点は十分いきわたっているかというとかなり疑問があることがあります。
このように申し上げると、わが社に限って、そのようなことがないと思われる方が多いと思いますし、規模の大小にかかわらず歴史ある会社はなおさらそのように自負されていることが多いようです。
労務管理の仕方が、直接的又は間接的に、紛争発生の最大要因となっていることもありますし、この様な場合には、労働事件における敗因の多くは、使用者側の体制そのものの中に潜んでいます。
それ故、まず使用者側の体制について考えなければならないと思います。

労務管理、労使関係というものは、その瞬間の状況だけでなく使用者と労働者との継続的関係や時間の経過と共に変化していくものです。この分野の問題は、時間をその瞬間で輪切りにしてぱっと見ただけでは確実な対策をたてることは難しいのです。
企業体質は、使用者側の体制であるとも言えます。したがって、法廷で争うことになった場合、この体制がしっかりしていなければなりません。
私どもがご相談を受ける際も、まずこの点に留意します。

チェックポイントは以下をご参考ください。

企業側の方針が一貫しているか
現場の管理者と人事労務担当の方針が統一されていることがとても大切となります。
事業所が各地にある場合は、各事業所間及び、本社-各事業所間との連携がうまくいっているか検討しなければいけません。
本社からの通達のみで、各事業所がそのとおり実施しているという認識は甘いと言わざるを得ません。
また、マル秘扱いの書類が、管理が杜撰なため流失したり、コンペティターに渡ってしまい窮地に追い込まれてしまったりといったケースもあります。
こういった、ちょっとした過信や不注意によるリスクは、管理者としての意識を常に持ちこれなりの体制を構築することで回避できるはずです。
管理体制は整っているか
企業はひとつの組織であり、その管理体制によって、労使関係に深く関係してきます。
管理者側に属する者に、とりわけ管理者に管理者としての意識がしっかりしていないことには、企業自体に大変な迷惑を及ぼす危険があります。過度に形式的、事なかれ主義的な労務管理は、重大な病理現象を増悪させることが多く、逆に過度に主観的な思い入れのある不用意な個人プレイは、例えば、不当労働事件では、全くの個人的発言であっても企業側の意思であると指摘され、企業の責任に帰すべき支配介入行為と判断されることがありますので禁物です。
労働基準法などに違反していないか
労働基準法などで要請される基本な制度構築ができていない、三六協定を無視したり、時間外労働の割り増し賃金の不払い、安全衛生設備の不備など、使用者が労働基準法に違反するような労務管理をしていては、労働者の職務違反などの点を追求することは出来なくなります。
就業規則、労働協約等に問題はないのか
平成19年に立法された労働契約法では、労働契約に就業規則とは別個の、就業規則より有利な個別的特約が定められない限り、労働契約の内容は就業規則の定めるところによるということになりました。
使用者側にとって不都合な条項、時代遅れの条項がある場合、できるだけ早く、改正、改訂の措置を講じることが必要です。
この点の留意を欠き、就業規則上の労働条件と齟齬する労働契約は、使用者に不利になることがあります。
労働協約上の協議約款の違反のある解雇等の措置を行うと非常に不利な状況になります。
ですから、担当者は、常に現行の協約類、就業規則を整理し、社内全体に知らしめておくことが重要です。
過去の労使紛争の判例や労働委員会命令はないか
労働事件においては、以前に労働基準法違反や不当労働行為などで処罰の「前科」があると、とかく、労働者側から、それが企業としての基本的な体質、やり方につながると指摘され、ことさらに主張されます。
これによって、致命的な弱点となるとは限りませんが、若干マイナスに働くことも否定出来ません。
つまり、法廷闘争となった場合、和解で解決するのか、上級審まで争い判決を得るのか
その処理の仕方で、今後の労務管理、その後起こりうる法廷闘争にも影響してくるのです。
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